税務ニュース(2023年)

令和5年12月号

令和6年1月より電子取引のデータ保存が義務化

令和6年1月より、これまで宥恕されていた電子取引のデータ保存が義務化されます。
電子取引において紙で印刷された書類は保存要件を充たさないこととなるためご留意願います。

令和5年11月号

改正空家法の施行

令和5年12月半ばまでに改正空家法の施行が予定されております。
平成27年に土地固定資産税軽減対象外となる特定空家が創設され、今回の改正空家法は軽減対象外となる空家の範囲を更に広げる内容が予定されております。

令和5年10月号

年収130万超でも2年までは扶養内に!

今月10月から社会保険に関して変更措置が開始されました。

昨今の人手不足解消の一環として、いわゆる「年収の壁」で労働時間を抑制している層に対し、一部軽減措置をとることで対応するようです。
今回の変更は社会保険に関するもののみとなっており、今後税制の配偶者控除、扶養控除についても動向が注目されますね。

令和5年9月号

いよいよインボイス制度が始まります!

いよいよ来月からインボイス制度が開始されます!
みなさまご準備は大丈夫そうでしょうか?

制度の内容につき既にご承知おきのことと存じますが、おさらいも含めて改めてのご案内となります。
もしギリギリまで登録の有無を悩まれている方がおられましたら、ご検討の一助として頂けますと幸いでございます。

令和5年8月号

不動産生前贈与の路線価評価が否認

不動産の生前贈与において、路線価評価が否認された事例があったようです(国税不服審判所R4.11.4)。

先日公表されたタワマン節税防止のきっかけとされている令和4年4月の最高裁判決では、相続直前に購入した不動産を相続直後に譲渡しており、今回の事案は不動産購入直後の生前贈与でございます。

近年時価と相続税評価の乖離が注目を集めておりますが、特に課税時期前後(相続・贈与)の意図的と捉えられる行為は注意が必要かもしれません。

尚、同じく先月も触れさせて頂きましたがタワマン節税防止が令和6年1月1日開始予定のことから、今年中にタワマンを始めとした区分所有不動産の駆け込み贈与が増加する可能性がございます。
但し、こちらについては今月の本事案から総合的にご判断頂きたいところでございます(個人的にはあまりお勧めしておりません、、)。

令和5年7月号

タワマン節税が縮減へ

6月30日の国税庁報道資料にタワマン節税を縮減する内容が掲載されておりました。概要は以下の通りとなります。

1.縮減後の評価額
不動産の相続税評価額につき、実勢価格(時価)と相続税評価額に4割以上の乖離がある場合(乖離率1.67倍超)は、実勢価格の6割を相続税評価額とするようです。
尚、実勢価格の計算方法については、国税庁より築年数や階数などに応じた新たな計算式が公開されています(令和5年6月30日 国税庁報道発表資料 マンションに係る財産評価基本通達に関する有識者会議について)。

2.変更時期
令和6年1月1日以後の相続又は贈与により取得した財産に適用。

3.対象となる不動産
報道発表資料によると、対象となる不動産はタワーマンションを始めとする居住用の区分所有不動産のみに限定すべき旨が述べられており、二世帯住宅、低層の共同住宅、事業用のテナント物件などは対象外とする旨が併せて述べられております。
但し、本変更は今後パブリックコメントの対象とされるため、変更となる可能性もあるためご留意願います。

4.令和5年中の駆け込み贈与について
令和6年からタワマンなどの区分所有居住用不動産につき相続税評価額が上昇する傾向の為、令和5年中の駆け込み贈与も今後増加傾向と考えられます。
但し、結論申し上げますと令和5年中の駆け込み贈与はお勧め致しません。
理由は直近の令和4年11月4日国税不服審判所裁決により、相続税対策を目的としたであろう不動産贈与の評価額につき、路線価評価での評価額が否認されているためです(結果、時価の1/2以上の評価額で修正申告)。
上記の裁決は父が不動産購入し、その5か月後に子へ不動産を路線価評価で贈与し、評価額が否認されております。
相続税対策と認められるものは指摘を受ける可能性があるため、実行には上記裁決を十分ご理解の上、ご検討頂けますと幸いでございます。

5.相続税試算のやり直し
本変更が決定した場合、対象となる不動産をご所有のオーナー様については従来の相続税評価額よりも上昇する傾向にあるため、新たな対策を講じる必要性がある場合もございます。
改正決定後は相続税試算のやり直しや新たな提案を進める必要が生じるかもしれません。

令和5年6月号

ストックオプションが課税強化に!?

5月末に日経新聞へ出ていましたが、国税庁が発表したストックオプションに関する内容が波紋を広げています。
対象となっているストックオプションは信託型とよばれるもので、企業側が想定していた課税方法に対し、国税庁が想定とは異なる内容を示し、採用企業を中心に動揺が広がっているようです。

但し今回、国税庁が示した解釈は従来通りの原則的な解釈となります。

信託型ストックオプションは創設者が近隣の税務署へ課税関係の確認を取り、優遇措置の適用範囲となる返答を受けたようです。
創設者は税務署が示した解釈に基づいて信託型を広めたものの、税務署が示す解釈は原則公式のものではございません。
今回、国税庁の解釈は税務署の解釈と異なり、優遇措置の範囲外であったため正式な発表へと至ったようです。

動画でも解説しておりますので、ご関心がございましたらご参照下さい。
https://youtu.be/IxxEswQgjNU

令和5年5月号

令和3年度 相続税調査状況が発表されました

コロナで抑えられていた実地調査が徐々に再開され、調査件数は前年より軒並み上昇傾向となっています。
また併せて非接触の調査についても促進されているようです。

例年通り、申告漏れ財産の大半は金融資産等となっております。
相続発生前に不自然な口座の動きは調査対象となる可能性があり、相続人様にはぜひ正しい相続税対策を進めて頂きたいと思います。

令和5年4月号

2022年問題のその後
特定生産緑地への移行割合が発表されました

令和5年2月14日、国土交通省より約9割の生産緑地が特定生産緑地へと移行されたことが発表されました。
平成4年ごろの市街地農地と生産緑地の選択の際、生産緑地を選択した割合がおよそ3割であったかと記憶しており、個人的に今回の約9割という割合は比較的高いという印象を受けております。

但し、今回約1割の生産緑地が特定生産緑地への移行無しとなっておりますが、約1割でも三大都市圏で991haとかなりの規模の面積となっております。
特定生産緑地への移行無しという選択は必然的に売却か有効活用を検討されている可能性が高いと考えられるため、また今後地主様からのご相談の機会が増えるかもしれません。
※1ha=10,000㎡ 開発500㎡20区画程度

令和5年3月号

信託相続は空き家3,000万控除の適用不可に

令和4年12月20日に東京国税局より、信託による相続については相続空き家の譲渡所得3,000万控除の適用を受けることができない解釈が示されました

【リンク】国税庁HP「東京国税局 文章回答事例」
https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/joto-sanrin/221220/index.htm

今後、相続空き家の譲渡所得3,000万控除の適用を予定している場合、対象となる自宅を信託から外しておく対応が求められることとなります。

令和5年2月号

相続土地の国庫帰属制度が始まります

令和5年4月27日より、相続土地の国庫帰属制度が始まります。
制度は国が土地を国が買い取る訳ではなく、こちらが費用負担をして土地を引き取ってもらう制度となります。
譲渡や物納可能な土地でしたらそちらが有利な可能性もあるため、ご留意頂けますと幸いでございます。

令和5年1月号

令和5年税制改正大綱が発表されました

自民党より令和5年税制大綱が発表されました。
相続贈与について注目すべき点は以下の通りです。

◆生前贈与加算の対象期間について
3年から7年となりました。
但し、従来通り孫など財産取得者以外の者への贈与は加算対象外のため、今後はお孫様への贈与などがより有効になるかも知れません。
また、精算課税制度も今回の改正案により、有利に働く場合があるため併せて検討が必要かと存じます。

◆マンションの相続税評価の見直しについて
今回の大綱で具体的な改正案はございませんでした。但し、税制改正大綱の前文においてマンションの相続税評価は今後見直す方向を示唆する文言が記載されております。この「マンション」がどの範囲の建物を指すかは不明ですが、今後、議論の動向は注視していく必要があるかと存じます。

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