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権利金が譲渡所得とされた場合の居住用3,000万控除と軽減税率
管理者
2024年11月14日
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権利金が譲渡所得とされた場合の居住用3,000万控除と軽減税率
権利金が譲渡所得とされた場合の取り扱い
以下の要件を充たす限り、定期借地権の設定時に受領する権利金が譲渡所得とされた場合も、適用可能性があると考えられる。
前提として居住用財産3,000万控除と軽減税率(以下、「本特例」)の譲渡は「居住用財産の譲渡」を前提としている(措法35①(3,000万控除)、措法31の3①(軽減税率))。
本特例の譲渡は条文上、立体買換え特例のような「譲渡所得の基因となる借地権の設定(権利金が譲渡所得とされた場合)」が含まれるなどの文言は無い。これは本特例が居住用財産である建物の譲渡が前提としており、借地権の設定は建物の譲渡に含まれないことになることから、このような条文の違いになっていると考えられる。
但し、建物の譲渡がない場合であっても措法通達35-2において、その居住の用に供している家屋を取り壊し、その家屋の敷地の用に供されていた土地等を譲渡した場合(その取壊し後、当該土地等の上にその土地等の所有者が建物等を建築し、当該建物等とともに譲渡する場合を除く)において、当該土地等の譲渡が次に掲げる要件の全てを満たすときは、当該譲渡は、措置法第35②各号に規定する譲渡に該当するものとして取り扱うとされている(措法通達31の3-5(軽減税率)も同様)
(1)当該土地等の譲渡に関する契約が、その家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、その家屋を居住の用に供さなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したものであること。
(2)その家屋を取り壊した後譲渡に関する契約を締結した日まで、貸付けその他の用に供していない当該土地等の譲渡であること。
そうすると、所得税法の本法の規定で譲渡所得となる借地権の設定行為は、資産の譲渡に含まれていること、措法通達35-2等において、家屋を取り壊した後の土地のみの譲渡も居住用財産の特例の対象とされていることに照らせば、上記の通達の要件を満たす場合には、定期借地権の設定時に受領する権利金が譲渡所得とされた場合も特例となる資産の譲渡に含まれると考えられる。
但し、定期借地権の設定時に居住用建物が現存しており、定期借地権の契約において定期借地権設定者が建物を取り壊すなどの契約となっている場合は「契約が、その家屋を取り壊した日から1年以内に締結され」の部分を充たさないため、特例適用は不可と考えられる。
(家屋を所有者が取り壊した後に上記の要件を充たす契約を行った場合は適用可能性があると思われる)