厚生年金保険

加入義務者

◆適用事業所の要件
・株式会社などの法人の事業所（事業主のみの場合を含む）
・従業員が常時5人以上いる個人（農林漁業、サービス業などの場合を除く）

◆対象者の要件
〇代表取締役
・役員報酬の支払いがある場合は強制加入。役員報酬の支払いが無い場合は加入不要

〇代表取締役以外
以下の3要件いずれかの該当で強制加入
①週の所定労働時間が20時間以上あること
②賃金の月額が8.8万円以上であること
③学生でないこと
※役員でも非常勤（週の就業時間が20時間未満）であれば未加入でもよい

届出書

◆新規適用届
新規加入時に提出。また、以下の書類も併せて必要
・法人登記簿謄本（90日以内に交付された原本）
※「新規適用届」の項目9において「1：法人番号」を選択する場合は、あわせて「法人番号指定通知書のコピー」を添付
・事業主の世帯全員の住民票（個人事業所のみ・個人番号の記載がないもの）
・代表者の公租公課の領収書（個人事業所のみ・原則1年分）

◆報酬の変更
報酬の変動があった際、2等級以上の差が生じた場合に「月額変更届」を提出しなければならない。厚生年金保険料は3ヶ月平均の翌月より改定される
・例：1月変更　→　4月分の厚生年金保険料から改定
・2等級以上の差　→例えば1等級から3等級となった場合は2等級以上の差に該当
・2等級以上の差が生じない場合、厚生年金保険料は現状維持（「月額変更届」の提出不要）

◆算定基礎届
毎年、4月から6月までの報酬月額を記載して提出する書類。提出された報酬月額に基づき、9月分からの厚生年金保険料が改定される
・以下3パターンの「月額変更届」を提出する場合を除き「算定基礎届」は提出義務が生じる
①4月～6月→7月改定　②5月～7月→8月改定　③6月～8月→9月改定
・①4月～6月→7月改定、②5月～7月→8月改定は「月額変更届」を提出した場合、「算定基礎届」による改定よりも早く厚生年金保険料が改定される。これは「算定基礎届」がその時期処理量が膨大になるため、改定時期が9月に設定されているのに対して、「月額変更届」は原則通り3ヶ月平均の翌月から改定されるためとなる

◆書類提出遅延による厚生年金保険料
遡及して保険料が加算される
・例：1月から報酬変更を7月に届出　→　1月分から遡って厚生年金保険料が増額